ラムリーザ・サーガ フォレストピア創造記

The Ramlyza Saga – Forestpia Chronicle


ミルキーウェイ・フェスティバル

帝国暦九十三年 真藍の月・白雪の日(現代暦:七月上旬)

 西の空が茜色に染まる頃、ラムリーザたちは普段とは違う衣装でフォレストピアの駅前に集まっていた。今日はミルキーウェイ・フェスティバル、ユライカナンのお祭り体験日だ。

 ラムリーザは、この祭りのときなどに着ると言われているユライカナン伝統の衣装、ユカタを着て参加しようと決めていたので、全員にもそうするように求めたわけだ。もっとも、ユカタを気に入ったラムリーザは、最近では湯上がりに、バスローブではなくユカタを着ている。

「やっぱりこの服は、この時期だと涼しくていいねぇ」

 暑い真夏日、日は暮れかけていても周囲は熱気でムンムン。だが時折吹く風が、さらさらしたユカタには心地よい。しかし――

「おいエル、お前それエロすぎるだろ、やばいって」

 ジャンは、ソニアを見てそう言わずにはいられなかった。しかしソニアは真顔のままジャンの言葉を無視する。

「あ、無視してるなエル」

「あたしエルじゃない!」

 気に入らない点は、そこだった。

「エルじゃねーか、その胸やばいって」

「いいの! タオル巻いてドラム缶って言われるぐらいならこれでいいの!」

 ドラム缶とは呼ばれてはいない、風船お化けと呼ばれていた。

 そう、ソニアがユカタを着ると、そのバストと呼ぶには大きすぎるし、風船と呼ぶにはソニアの不満が爆発する。そういうどうでもよい形容は置いておいて、身体の凹凸を少なくしようとすれば「太っ」と呼ばれてしまうのである。

 何しろバスト一メートル超えの大物、ウエストを合わせようとするとそれはもう……
              
ミルキーウェイ・フェスティバルの夕暮れ、ユカタを着たソニアが駅前で胸元の危うい姿を見せている場面
 そこでソニアは開き直って、補正などクソくらえ。そのままの体型で、無理矢理ユカタを着たのであった。

 その結果、巨大な風船はこぼれかけていて、いろいろと危うい。まるで去年ソニアが着ていた制服の胸のあたりを再現したようなものだ。

 それだけではない、制服よりも生地の薄いユカタ、傍から見ると半裸とは言わないがとにかく危うい。かろうじて肝心なところは隠れているが、大きくはだけた胸元は、注目の的であり異質なものであった。

 リリスも「太ったか?」と言われたのを気にしているのか、ソニアと同じように調整を捨てていた。その結果、危ういことは危ういが、大事の前の小事というか、ソニアと並べば普通の範疇に収まるような気がするから不思議である。

 

 メインストリートは派手に飾られ、屋台が所狭しと並んでいる。その様子は、まるで建国祭のような賑わいを見せていた。

 屋台の湯気と甘い匂い、どこかで鳴っている笛や太鼓の音、人の話し声。メインストリート全体が、普段より少しだけ浮かれているようだった。

「あっ、いかめしがある!」

 ソニアは好物のいかめしを見つけ、早速買ってきてほおばった。しかし、一口食べてから首をかしげる。

「なんか感じが違うよ?」

「ユライカナンのいかめしは、小麦を練ったものの代わりに、米を入れるみたいだね」

「ふ~ん、でもこっちもおいしいからいいや」

 とりあえず、ユライカナン産のいかめしも、ソニアのお気に召したようだ。

 他にもチョコバナナ? りんごあめ? 初めて見る珍しいものが並んでいる。しかしこれらは、ユライカナンでは普通にある祭りの屋台であった。

「去年の建国祭でラムリーザを見たときは、なんだこのハーレムはと思ったけど、今こうして見ると別にそうではない不思議だな」

 ジャンは、集まったメンバーを見てそう評した。

 去年の建国祭では、ラムリーザはソニアとリリスとユコの三人を連れてジャンの前に現れた。確かにハーレムである。

 しかし現在のメンバーは、男子六人女子六人、綺麗に分かれていた。

「ペアを作ってみるか?」とのジャンの提案に、リゲルは「やめろバカ」と冷たく言い放つ。

「あたしはラムとペア。魔女と組むかわいそうなのは誰?」

「俺が普通に魔女と組んでやる。科学者ジャンと呼べ」

「役立たずコンビ!」

 面白くなさそうに、ソニアは文句を言った。魔女はともかくとして、科学者が役立たず。ソニアの価値観は独特で不思議である。

 ユグドラシルはさりげなくソフィリータと並んでいるし、リゲルはロザリーンとミーシャどちらかを、いまだに選べないでいる。

 残る男子は、レフトールとマックスウェルの無法者コンビ。事前の調査などには参加していないが、お祭りとなれば話は別である。昔馴染みで一番の子分を率いて参戦していた。

「何ですの! ペアつくってばかりで……」

 いろいろとくっついているような様子を見て、ユコが憤慨する。しかしそこにレフトールが接近。

「ゲーセン組を結成しようや、お嬢ちゃん」

「それはゲーセンでだけしか通用しないコンビですの! ここはゲーセンじゃありません!」

 振られるレフトールを見て、マックスウェルは興味なさそうに欠伸した。

「しょうもないことやってないで、先に進むぞ」

 さっさと屋台街を先へ進むリゲル、しかし右手をロザリーンの肩に回して抱き寄せ、左手はミーシャとつないでいる。

「あいつも開き直ったなぁ」

 前を歩くリゲルを見て、ジャンはつぶやいた。一見すると、両親と娘のようにも見える。

「じゃあ私はラムリーザ様の右手を頂きます」

 左側にはソニアがくっついているので、ユコはラムリーザの右手を取った。

「それじゃあ私はラムリーザの前に立って露払いするわ」

 リリスがラムリーザの前に割り込む。

「後ろは私が護ります」

 そう言ったのは、ラムリーザの妹ソフィリータだ。おそらくこのグループの中で、純粋な戦闘力は一番高いだろう。

「なんだお前、やっぱりハーレムじゃないか。合体してキングラムリーザにでもなるのか?」

「いやいや君たち歩きにくいから密集しないで。離れて普通にしなさい」

「そうだ! お前ら散れ!」

 ラムリーザは困ったように促し、ソニアは怒ったように凄む。

「ソニアさん、あなたが散りなさいですの!」

 左右で怒声が飛び交い、ラムリーザはいい迷惑だ。

「それで良いのか? ハーレムの中にリリスが混ざっているけど、ジャン的にそれは許容範囲なのか?」

「それは困るな。よし、俺もお前の前に立って、リリスと一緒に露払いする」

「だからそれが邪魔なんだって、君たちが先に露払われろよ」

 背後ではソフィリータだけでなく、ユグドラシルも接近している。

 なんだかよくわからないが、リゲルのグループとラムリーザのグループ、そしてレフトールのコンビに分かれてしまっていた。

 ………
 ……
 …

『えー、ミルキーウェイ・フェスティバルにお越しの皆様にお知らせ致します』

 そこに、今回の祭りの実行委員をやってもらっているごんにゃ店主ヒミツの声が、祭りの会場に設置されているスピーカーから響いた。

『只今より、ユライカナン四千年の歴史を誇る、ミラクルパワー短冊争奪お願い事選手権を開催致します』

 その放送を聞いて、不思議そうに顔を見合わせる面々。

「短冊のお願い事って何かしら?」

「それに書けばごんにゃさんが叶えてくれるんじゃないの?」

 などと、ソニアとリリスは話し合っている。

 一方、ラムリーザはユライカナンって四千年前からあったのか? などと考えていた。その割には大会の名前が今風すぎるのも謎だ。

『勝負は簡単だぞ。誰が一番愉快でなおかつ熱い願い事を書いてくれるか、ただそれだけであります。優勝者にはこの大短冊が贈呈され、会場中央のササの天辺に飾る権利を得られますよ!』

 ごんにゃ店主の解説は続いていた。

 しかし、ソニアやリリスはあまり乗り気ではなさそうだ。

「どうせ願い事と言ってもねぇ、叶うかどうかなんてどうせ夢物語でしょう」

「あたしが百億万エルド欲しいって書いたらほんとにくれるというのならやってもいいかな」

 ラムリーズの表部隊双璧が乗り気じゃないのだから、いまいちテンションが上がらない。

「ミーシャ願い事書くよ、書くよ。それでね、それでね、あ、やっぱり願い事はひみつー」

 一人ミーシャだけが嬉しそうにはしゃいでいる。

 だが、ごんにゃ店主の次の言葉で雰囲気ががらりと変わった。

『この大短冊は、四千年の歴史が作り上げてきた特別な製法で作られており、どんな願い事でも叶えられる範囲で叶えてくれるという超レアな短冊なんだぞ、と』

 そんなうさんくさい宣伝に、あっさりと乗せられるソニアとリリス、単純な二人だ。

「特別な製法? これは何かがあるわ。私はあの大会に参加してくる」

「あっ、リリスが行くならあたしも行く。吸血鬼根絶を願ってやるんだ」

『参加される方々は、ミルキーウェイ・フェスティバル本部席までお越しいただき、願い事を書いた短冊を持って、参加希望を伝えるだけで結構ですよ。お待ちしております!』

 その言葉を合図に、ソニアとリリスは本部席を探して駆け出してしまった。その後にミーシャも「ミーシャも書く~」などと叫びながら続き、さらに残りのジャンたちも後に続いた。

 気がつくと、ラムリーザの周りにはリゲルとロザリーンしか残っていなかった。

「あーあー、行っちゃった」

 頭の後ろで手を組んだまま、ソニアたちが消えていった方向を見ながらラムリーザは気が抜けたようにつぶやいた。

「ジャンさん、行っちゃいましたね。この大会の審査員の一人でありながら」

 そうである。ラムリーザ、リゲル、ロザリーン、ジャンの四人は、どちらかと言えば参加者というより運営側だ。この祭りの開始前にごんにゃ店主から大会の話は聞いており、願い事の審査メンバーとして依頼されていたのだ。

「ジャンはお祭り好きだからなぁ。まぁ一人ぐらい欠けたところで問題ないだろう。それじゃあ運営部に行くぞ」

 ラムリーザは、二人を率いてごんにゃ店主の待つ場所へと向かっていった。

 ………
 ……
 …

 晴れた夜空に天の川が輝き、ミルキーウェイ・フェスティバルも最高潮。

 運営部には数多くの短冊が集まり、これから一番愉快でなおかつ熱い願い事を選ぶ作業に取り掛かろうとしていた。

「ヒミツさん、これをどうするのですか?」

 ラムリーザは、まだごんにゃ店主の名前に違和感を覚えながら尋ねた。

「一つ一つ、書かれた願い事を読み上げて発表していくんだ。それで一番笑いや驚きの声が上がったものを勝ちとするぞ」

「そうですか」

 読み上げて発表、そこにラムリーザは少しばかり嫌な予感がしていた。参加者の中にソニアやリリスがいる。あの二人が何を書くか心配で、ちょっと不安になった。

『それでは只今より、ミラクルパワー短冊争奪お願い事選手権の審査を行います!』

 スピーカー越しに祭りの会場に響き渡るごんにゃ店主の一声で、先ほどまで騒がしかった会場が、少しばかり静かになる。多くの人が注目しているようだ。

『ツチノコ見つけたい! アイヴァン・クオリメン』

「えっ、名前も読み上げるのですか?」

 ごんにゃ店主の発表に、ラムリーザは慌てた。匿名ならまだ冗談で済ませられても、名前を挙げられたら、冗談が冗談でなくなる場合もある。身内の短冊がろくでもない内容だった場合、恥をかくのは本人だけでは済まない。

「ん? そうだぞ、これがこの大会のやり方だ。参加者には短冊を受け取る際に確認は取ってあるから問題ない」

 ごんにゃ店主は、マイクから顔を離してラムリーザに答え、すぐに次の読み上げに入った。

『今年こそ大学に行きたい! ラーク・スカイウォーキン』

『金脈がみつかりますように! ジャン・エプスタインって君! 審査員でしょうがこっち来なさい!』

 あちこちから笑い声が上がるが、これは審査対象外だろう。

 しばらくして運営部にジャンが姿を現した。

「いやぁ、祭りの盛り上がりに浮かれてしまって忘れてた、ごめんよ~」

「大丈夫、これからだから。観衆の反応を見て、一番を決めるんだってさ。ジャンの願い事にも笑い声が上がったけど、たぶん願い事の内容で笑いを取ったわけじゃないし、審査員だから今のはなしってことになるよ」

「はいよん」

 そしてジャンは、ラムリーザたちと一緒に本部席に並んだ。

『フォレストピアが千年都と呼ばれるぐらい、平和が長く続きますように! ソフィリータ・カスミ・フォレスター』

 所々から、「おー」と歓声が上がる。

「さすがお前の妹だ。考えていることが真面目だな」

「いやまぁ、普通っぽいでしょ」

 そう言いながらもラムリーザは照れが入っていた。しかしそこから徐々に雲行きがおかしくなった。

『優勝できますように! レフトール・ガリレイ』

「いやまぁ、目的はそうだけどさ。その願い事を書かなくちゃ……って、一応願い事か』

『異星人が見つかりますように! フォールス・モダック』

「リゲル、異星人は存在するのかな?」

「そうだな、まずは惑星が恒星から一定の距離が必要だ。あるラインの内側だと熱が強すぎて、水分はすべて蒸発してしまう。逆に遠すぎればすべて凍ってしまうだろう。生物が誕生するには、まずは水が安定して存在できなければならない。それをハビタブルゾーン――つまり、連続生存可能領域と呼ぶ」

『領主様が重婚しますように! ミーシャ・カッシーニ』

「あ、ごめん、話が長くなりそうだ。その話はまた今度にしてくれ――って、何ですと?!」

 リゲルの天文学ウンチクを聞かされそうになったが、その間に不穏な願い事が挙がったような気がしてラムリーザは振り返った。

「くっくっくっ」

 リゲルは一人、含み笑いを漏らしていた。周囲では笑い声が割と上がっている。

「ちょっと待って、今の願い何? ミーシャが? なんで?」

「ねぇねぇ聞いた聞いた? ミーシャ、リゲルおにーやんの言ったとおりの願い事を書いたよ」

「なんだそりゃ!」

 いつの間にか本部席の前にミーシャが現れて、ニコニコしながら報告した。

 リゲルの思惑としては、ラムリーザがソニアと彼女以外の誰かと重婚すれば、自分も堂々とロザリーンとミーシャ双方を選べる。そんな無茶苦茶な考えに至った結果だが、リゲルはさらに追い討ちをかけた。

「ラムリーザ、妾制度を作れ」

「唐突過ぎてついていけない!」

「私がラムリーザ様と結婚したら、ソニアさんは妾になるってことですのね」

「違う! 呪いの人形死ね! 鎧を二重に着て碇を背負って海に飛び込め!」

 気がつけば、本部席前に皆集まってきていた。

 しかしラムリーザにとっての災難はまだ続いていた。

『ラムと結婚できますように! ソニア・ルミナス』

「こら! わざわざ書かんでも、そのうちって言ってるのに!」

「ラムがなかなか結婚してくれないからカラス女や呪いの人形がしゃしゃり出るんだ。ラムが悪い」

「あのなぁ……」

 ラムリーザがため息をついたところに被さるように、次の願い事が発表された。

『ラムリーザと結婚できますように! リリス・フロンティア』

「ぶっ!」

 立て続けに厄介な願い事が挙がり、ラムリーザは吹き出してしまった。しかしその横では、ジャンが微妙な顔つきだ。

「大丈夫、ソニアに対する嫌がらせだから」

 リリスはジャンに歩み寄り、怪しげな笑みを浮かべて静かにささやいた。

「僕に対する嫌がらせにもなっているよね?」

 ラムリーザは非難するが、リリスは微笑を浮かべるだけだった。ソニアがただ一人、怒りで顔を真っ赤にして震えているのだった。

『ラムリーザ様と結婚できますように! ユコ・メープルタウン』

「きっ、貴様ら!」

 ユコまでもが悪ふざけをしてきて、ラムリーザは改めてことの大きさを感じていた。

「とりあえずね、『様』とか、『ラム』って何? あなたたちは、蛇足だったり子羊だったりしてるのよ。正確な願い事を書いたのは、私だけ」

 しかしその一方でリリスはクスッと笑って、勝ち誇ったような顔で言った。

「そういう問題じゃない!」

 ラムリーザは、それだけ言うのが精一杯であった。

 こんなふうに、短冊争奪選手権という祭りのイベントは、ラムリーザが危惧したとおり、非常にめんどくさい結果となってしまったのであった。

 三人からの嫌がらせ、いや、ソニア自身はいつも通りのことだが、残る二人の嫌がらせを受けて、ラムリーザは爆弾を三連発で食らうことになったのだ。発端となるミーシャの願いも含めるとしたら四連発だ。

 その結果、誰が優勝したのかわからない大会となってしまった。ラムリーザが平常心を取り戻したとき、すでに大会は終わっていた。ずっとソニアたち三人の罵り合いを聞いていただけで、ごんにゃ店主の台詞など頭に入ってこなかった。

 そして終わってみると、身内からは優勝者は出なかったようだ。

 もっとも、あれだけ好き勝手な願い事が飛び交ったのだから、誰が勝ったところでまともに納得できたかどうかは怪しい。少なくともラムリーザには、もう優勝者のことより頭を抱えた記憶のほうが濃く残っていた。

 ラムリーザとしては、ソフィリータの願いが優勝でもよかったのだが、愉快でなおかつ熱い願い事というお題にしては普通すぎるところもあったのだろう。

 願い事大会そのものは散々だったが、祭りは祭りとしてきちんと終わりへ向かっていた。騒ぎも、笑いも、困りごとも、全部まとめて夜の熱気の中に飲み込まれていくようだった。
              
夜空の天の川の下、短冊を飾ったササが燃え上がり、願いを乗せた煙が白い橋のように昇っていく場面
 皆の願い事を書いた短冊を飾ったササは、お祭り最後のイベントで盛大に燃え上がることになった。ササに燃料をかけたり塗り込んだりして火をつけ、一気に炎上させたのだった。

 勢いよく立ち上がる火柱に、観衆から声援が上がる。その勢いに乗って、願いは天へと昇っていく。その煙は白い橋となり、織星と彦姫の二人は天の川にかかった白い橋を渡り、一年に一度だけ会うことができるのである。

 さっきまでの騒がしさが嘘みたいに、炎を見上げる時間だけは皆静かだった。

 パチパチと爆ぜるササの音と、夜空へ真っ直ぐに吸い込まれていく無数の火の粉。

 さっきまで「結婚するんだ!」と真っ赤になって怒っていたソニアも、今はラムリーザの隣で炎のオレンジ色に白い肌を染めながら、じっと燃え盛る短冊を見つめていた。その横顔は、いつになく大人びて見えた。

 天の川が見えなくなるほど輝くササを見ながら、ラムリーザはソフィリータではないけれど、「千年後、千年都のフォレストピアと呼ばれていますように」と願うのだった。